夏休み



アメリカではもうすぐ(それかもうすでに)夏休みシーズンってことを、昨日久しぶりに連絡を取った友人の話で知った。



そう、アメリカの夏休みは長い。




長い夏休みいいなぁ〜と、あてもなく子供達を羨ましがりながら、私の子供の時の夏休みを思い出した。



子供の頃は、夏休みになると夏休みの宿題なんて無くなれば良いのにって神頼みをしつつ、可能性が無限大な夏休みにワクワクしてた。


夏祭りに浴衣着て行こうかな、とか。
ラジオ体操行きたくないけど、シールはもらいたいなぁ、とか。


自由研究の時だけ、でんじろう先生かワクワクさんみたいな人が親戚にいたら良かったのに、とか考えてた。




家族旅行も行ったり、楽しかったなぁ、と。




そんな中、私の中で忘れられない思い出、というか事件がひとつある。






それは私が小学低学年の頃に行った避暑地の室内プールでの出来事だ。



その日は家族みんなでホテルにある大きな室内プールでのんびり過ごす日だった。



そこのホテルのプールにはウォータースライダーなどもあり、姉2人は私を置いてスリリングなプール遊びに向かって行ってしまった。




安全のため父が近くにいつつも、残された私はひとりで身長より深いプールで泳いだり、水中でクルクル回ったり、小学生低学年らしい遊びをしていた。




まあ飽きっぽい私はそんな正統派なプール遊びには秒で飽き、自分で新しい泳ぎ方を作るという謎の遊びを始める事にした。




バタフライみたいな変な泳ぎ方があるんだったら、他もいけるだろう。
っていうバタフライ考えた人にマジ申し訳ない考えからはじめた一人遊びだ。





最初はクロールの進化系の、片腕で2回ずつ漕ぐクロールから初めて、
平泳ぎを大げさにやる、よく考えるとただの平泳ぎのやつ、とか。
イカみたいに泳ぐやつ、とか。
(ちなみにイカ泳ぎは今でも好き)





意外とやってみたらどれも平然に泳げちゃうので、
もうちょっとレベルを上げて
ほぼ溺れてそうに見えても実は泳いでますよ泳ぎ
をしてみようと考えた。





これは右足のみを使い、他の部分は使っちゃいけないルールの泳法で、良い子は絶対にマネしちゃいけないヤツ





見た目が相当不自然で一見溺れてそうに見えるけど、新しい泳法開発にハングリーだった私は試しに一番深いところで新しい泳法を試してみた。




壁を思いっきり蹴って、ほぼプールの真ん中でいざ実践。




脚力のある私は、思いの外しっかりそれで泳げて、ちょっと前進もできた。





前進してる、やった!!







と思ったその時、




大丈夫か!!





と大きい声で声が聞こえ


その直後に私は知らない大人の男性に抱きかかえられた。








そう。

私の渾身のニュー泳法は
本気で溺れてると思わせてしまったのだ





「大丈夫か、溺れたのか?」




と40歳くらいの優しそうな男の人が真剣に心配してくれて、
「新しい泳ぎ方開発してたんです」
なんて言えない私は頷くことしかできなかった。




そのままプールサイドまで連れていってもらい、父がきて男性に感謝を述べ、男性は同じプール内で泳いでいる家族の元へ戻っていった。





横目で綺麗なネーちゃん達に鼻の下を伸ばしつつも、一部始終を見ていた父には
「あれ変な泳ぎ方してただけだよね?笑」とバレていたが、
あの泳ぎの最中のみを見ていたら、溺れていたと思ってしまうかもしれない。






結局その後もその男性に会うこともできずに、実は溺れてたんじゃなくて新しい泳ぎ方開発してたんです、とも言えず
ある意味姉たちのプール遊びよりもスリリングだった旅行は終わってしまった。






こんなアホのことを心配してすぐさま助けてくれたあの男性には感謝がいっぱいだし、私もあんな大人になりたいと思う。





もうなんともアホなことで人の心配を買ってしまった事に、本当に申し訳なく思ってる。





申し訳なく思っているし、あんな泳ぎ方をもう開発しません!っと思っているけれど、





この間のフロリダ旅行で、その泳法とほぼ同じの泳法を考えた奴に出会った。





うちの旦那だ。






「この泳ぎ方ほぼ溺れて見えるけどちょっと泳げるぜ〜」



っていってる旦那をみて、アホやな〜と思いつつ
アホはアホと結婚する運命に笑えた。

心の中で「それ最初に開発したの私だからな」と優越感に浸って20数年ぶりにその泳法を試してみた。





相変わらず、ちょっと前進できた。

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